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成分分析ブランディング生産者のストーリー 横田園芸編

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香り高さはなんと約3,840倍!自然農法にこだわる「横田園芸」の食用バラ


料理やスイーツを華やかに彩るエディブルフラワー(食用花)。

国内における市場規模は2〜3億円とされており(大田市場関係者からのヒアリングおよび平成26年産地域特産野菜生産状況 調査(愛知県版)の調査結果を参照)、市場規模が2兆円を超える野菜に対して約0.01%と非常に小さい市場である一方、プレゼンテーションにこだわるシェフやパティシエからの注目度は高く、レストランやカフェ、洋菓子店などからのニーズは年々増加しています。

一般的にエディブルフラワーはあくまで装飾というイメージがありますが、香りや味が豊かなものなら、見た目だけでなく五感で食事を楽しませてくれます。そんな高品質なエディブルフラワーを育てる横田園芸の食用バラで成分分析を行うと、驚くべき結果が導き出されました。


生態系のバランスを利用したストイックな自然農法

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神奈川県平塚市北部の緑豊かな場所にある「横田園芸」は、野菜や食用バラを栽培する農園です。代表の横田敬一さんは、家業である観賞用のバラの栽培を受け継ぎ、品評会で数々の賞を受賞しているという業界では知る人ぞ知る存在。2009年より食べるためのバラ「食用ばら・エシカルローズ(ethcal rose)」の生産を始めましたが、その栽培方法が実にストイック。なんと、化学農薬、化学肥料、除草剤を一切使わないというのです。

「本来バラはたくさんの肥料や農薬を必要とする植物ですが、口に入れるものなので、安全・安心なものをつくりたいですよね」と横田さん。

花はよい香りを出して虫を寄せつけ交配するので、虫はついて当たり前。それでも無農薬で育てるために長年の試行錯誤の末行き着いたのが、自然の摂理に委ねる栽培法。アブラムシ対策にテントウムシを放ったり、さまざまな害虫を捕食してくれるクモを大事にしたり、また、あえて畑を耕さないことで土壌の微生物や菌の活性を促すなど、生態系のバランスを最大限に利用しています。

また、横田さんは、見た目だけでなく香りや味にも妥協を許さず、自ら200品種以上のバラを食べ比べ、現在はそのうち香りがよく味が優れた4品種を栽培しています。


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「香り成分」を比較してはじき出された驚きの結果

こうして大切に育てられた横田園芸の食用バラ。見た目は文句なしの美しさですが、「香りを食べる」というコンセプトを強化するため、今回は”香り”に注目して成分分析を行います。ご協力いただいたのは、香りのスペシャリストとして名高い、島根大学 生物資源学部の池浦博美准教授。比較したのは、一般的に流通している「べルローズ」です。エディブルフラワーは全国シェアの90%以上が豊橋温室園芸農業協同組合のベルローズといわれています。

分析を進めるとその差は歴然。横田園芸で育った「YOKOTA ROSE (ピンク)」はべルローズと比較して、1輪あたりのバラ様香気成分の含有量が769.71μg/輪であり、ベルローズの0.20μg/輪と比較して3,848.55倍でした*1。これは、横田園芸のバラが、一般流通する慣行農法の食用バラよりも約3,840倍香り高いことを表します。この結果には池浦准教授も驚きを隠せない様子だったそう。

*1:分析数値については小数点第3位を四捨五入し記載。倍率については、四捨五入しない数値を元に算出。


相場の35倍の高価格で販路開拓に成功

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この圧倒的な数字を後ろ盾に、YOKOTA ROSEは相場の35倍の高価格を設定。一般流通する食用バラが1輪20円なのに対して、YOKOTA ROSEは1輪700円としました。それでも、その美しい見た目と華やかな香りは全国の有名シェフや人気パティシエから高い評価を受け、星付きレストランを中心に着実に販路を広げています。

また、これまでメインの横に添えられる脇役的な存在だった食用バラですが、その香り高さや豊かな味わいから、YOKOTA ROSEを主役としたドリンクやアイスクリームが開発されるなど、活用の場も広がっています。上品な香りなので、洋食だけでなく和食にも用いられるのもYOKOTA ROSEの特徴です。

美しさと香り高さ、そして安心・安全をも兼ね備えた横田園芸のエディブルフラワーは、まさに奇跡の花。愛とこだわりが詰まった一輪のバラは、食卓だけでなく口にした人たちの心も華やげます。

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